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随想録

平成26年 「一人荒野を行く」

「一人荒野を行く」は、青色発光ダイオードの発明で今年のノーベル物理学賞を受賞されたお一人である 赤崎 勇氏の座右の銘である。教え子である天野 浩氏と揃っての共同受賞となった。天野氏も、とにかくまっしぐらに突き進んで来たと振り返る。他方、量産化に道を開いた中村修二氏は、とことん突き詰めるのが自分のライフスタルだと述べられる。いずれも信念を貫く不屈の精神の持ち主であることに違いはないようだ。

既に開発されていた赤と緑の発光ダイオードに、あと青色発光ダイオードが揃えば光の三源色で太陽光と同じ白色光が再現できると、世界中で鎬を削る研究がなされながらも未踏の半導体として実現困難とされていました。三氏の研究はその壁を破る画期的な発明で、今や照明はもとよりテレビやパソコン、さらにはブルーレイディスクなど、デジタル時代に飛躍的な進歩と省エネをもたらした成果は計り知れないといわれている。

一昨年の山中伸弥氏の生理学・医学賞の受賞に続き、基礎研究から応用に亘る日本の底力が高く評価されたことであり、大変喜ばしい快挙である。

三氏にとって、ノーベル賞は通過点に過ぎないとのこと、さらなる研究と若い研究者の育成にも意欲を示される。優れた先輩の背中を追って、若手研究者の奮起と活躍を大いに期待したいと思う。


平成25年 「2020年に向けて」

2020年東京オリンピック・パラリンピック 開催が決まり、喜ばしい限りだ。

事前の予測では、競合相手のイスタンブールやマドリードの優勢も伝えられ、東日本の震災や原発問題等多くの問題を抱えるなか、招致の実現には相当の困難が伴うのではないかと感じていた。

しかし、世界の眼差しは少し違っていたようだ。開催の栄誉を掴んだことは、まずは招致活動に携わった関係各位の並々ならぬ努力の賜物でありますが、同時に日本に対する世界からの信頼と評価が込められていることを気づかせてくれたのではないだろうか。

災害からの復興に結束して立ち向かう姿、清潔で安心・安全な町、穏やかな国民性。世界が羨やむ日本の風土や文化は、わが国固有のDNAです。テクノロジーやデザインは模倣されても、歴史に培われたおもてなしの心は、真似のできない大切な価値なのだろう。

聖火が燈るのは2020年7月24日。世界から集まった期待と信頼に応えるべく、今からその日をどう迎えるか、それぞれの立場で新たな目標に向けて七年の歩みを始めたいと思う。

まずは最初の第一歩、来年がそのスタートとなる明るい年であることを祈念したい。


平成24年 「未来のIPS細胞」

山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞は、久々の嬉しいニュースだ。「IPS細胞」は、一言でいえば、体のどんな部分の細胞にも育てられる可能性を秘めた万能細胞で、様々に変化した細胞から、逆に変化する以前の細胞に戻すことで、いわばタイムマシンを開発したような医療に新たな道を開く画期的な研究を称されている。

過日、高校生に対する教授の特別授業をテレビで拝見したことがあるが、その中で「万事塞翁が馬」と題して、医師になりたての頃、不器用で「じゃまなか」と呼ばれたこと、臨床医を諦めて薬理研究を目指したこと、アメリカと日本の研究環境の違いに研究を諦めかけたことなど、自身の体験が失敗と挫折の連続であったと語りかけておられた。10の失敗をして、1つの成功が得られる。10の失敗をしなければ1つの成功は得られない。苦しいことがあっても、その後に喜びが控えている。聴講する高校生に、失敗を恐れず挑戦し、日本を支える力となってほしいと結んでおられたことを覚えている。

ご本人が受賞の会見で述べられたのは、「感謝と責任」。たくさんの仲間に恵まれてことが受賞につながったと。そして、自身の研究は、まだ一人の患者の命も救うに至っていない、更なる研究と後に続く優秀な人材確保のために先頭に立つと決意を述べられた。趣味のマラソンに準え、焦らずペース配分を心がけ、いつの日が難病や不治野の病を克服するというゴールに向けて、着実に研究を続けたいと語っておられた。そして、傍らには医師である知佳夫人の、教授の健康を気遣いながら支える暖かい眼差しがとても印象的であった。

関西弁にユーモアを交えた和やかな語り口からは、想像もできない大きな目標とひたむきな熱意に、失敗を恐れずに挑戦する勇気をいただいた気がします。来る年に向けて、日々挑戦する素晴らしい人たちがいることを忘れず、一歩一々前に進みたいと思う。


平成23年 「震災に立ち向う」

空前の大地震、それによりもたらされた津波と原発の被害は、絶後と云うべき規模に至りました。
政府や行政が本来の機能を発揮出来ない中、真っ先に天皇、皇后両陛下が被災地を見舞われ、深々と頭を垂れるお姿に、国民こぞって被災者への思いと一日も早い復興を誓ったことと思います。
民間からは多くの義捐金が集まり、ボランティアが大勢応援に駆けつけています。
大震災を体験して何が大切か、これまでの価値観や行動基準は大きく様変わりするような気がします。
これからどのような国や社会の仕組みを作り、復興を成し遂げるか、将来の日本は世界の中で尊敬される存在になれるでしょうか。
震災に立ち向かう若い世代の勇気と頑張りに、大いに期待したいと思います。
頑張ろう ニッポン!


平成22年 お帰りなさい「はやぶさ」

地球を離れて7年、60億キロという長旅を終えて「はやぶさ」が帰ってきました。
満天の星空をバックに、光りながら砕け散る本体、その中からひときわ強く伸びる一筋の光は、切り離されて地上に向かうカプセルであることはすぐにわかりました。

壮大な役目を終えて最後の光を放つ姿に、よくぞここまで無事にたどり着いたと、思わず心の中でつぶやきました。
「イトカワ」は、ピーナッツの形をした長さ500メートル程の小惑星、丁度 東京からパリの町角に転がっている豆粒めがけてつま楊枝を命中させ、再び戻ってくるという離れ業なのだそうです。

「はやぶさ」に襲いかかった数々のピンチをチャンスに替え、見事偉業を成し遂げた科学者たち、最後までやり抜く信念と粘り強さにも大いに勇気づけられました。

カプセル内には微粒子が残されているそうです。
その一粒でも「イトカワ」からの贈り物であってほしい。
太陽系の起源を探る貴重な手がかりがつかめるか、研究成果の発表を心待ちにしたいと思います。


平成21年 辻井さんの活躍を祈る

先日、辻井伸行さんが、著名な国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たしたニュースは、うれしい知らせでした。
はにかんだ中にも素直にうれしさを表現するご本人の飾らない印象から、素晴らしい環境と周囲の愛情に育まれて、思う存分才能を伸ばすことができたことを偲ばせます。
ハンデキャップを乗り越えてという驚異を超越した何かがあるようです。
「全盲のピアニストと呼ばないで」は、母親いつ子さんの手記ですが、そこには我が子を慈しむ母親の気持ちと、プロとして我が子を旅立たせる気構えが素直に伝わります。
確かに先日のヨーロッパ演奏には、もう付き添う母親の姿はありませんでした。
そろそろ親離れ、子離れの時期かと思うと述べられていましたが、プロの音楽家としての1人立ちを、そっと見守っている姿が彷彿とさせられる思いです。

20年間、がんばり続けて来て本当によかった、子供には元気で幸せにピアノを弾き続けてほしいと結んでおられた。
ご本人はもとより、ご家族の幸せな気持ちを思うと、演奏を聞く前から、元気を戴いたような気がします。


平成20年 「天璋院 篤姫」が面白い

債権流動化ともてはやされた金融商品、その危険性に思い至らずこのような世界的不況の引き金になるとは、誰も予想していなかったのでしょうか。何があってもおかしくない時代と云うほかないのかも知れません。

NHKの大河ドラマ「天璋院 篤姫」が、いよいよ大詰めです。
「幕末の大奥」の著者畑 尚子氏によると、篤姫は自己主張のはっきりとした性格で、自分の判断で行動するタイプだったと評しています。

徳川家茂が長州征伐に上洛して以降、徳川慶喜が鳥羽伏見の戦いに敗れ江戸に戻るまでの三年間、将軍不在の江戸城を守ってきたのは、篤姫と和宮の女性二人でありました。

行動的な篤姫と冷静な和宮とは、大奥のしきたりを巡って一時対立があったようですが、留守を守り、嫁ぎ先の徳川家を存続させるという共通の目的の下、それまでの蟠りは氷解したようです。
そして、大政奉還後の江戸城下は、二人の双肩にかかっていたのです。
篤姫は西郷に、和宮は朝廷に、それぞれ嘆願書を送るなどの働きかけが人を動かし、江戸の町を火の海から守ることに寄与したことは確かなようです。

封建時代にあって、信念を持って事に当り、力を発揮した女性がいたことは、驚異的と云えましょう。激動の時代、来年はきっと女性の活躍が際立つ年なのではないかと想像しています。


平成19年 お裾分け

「国家の品格」から始まって、「女性の品格」、「会社の品格」など、品格ブームのようです。
他を思いやる美徳や気品という当然の常識に欠け、好き勝手に振る舞う世の中への反省が込められているのでしょう。
しかし、相変わらず品格を疑われるような老舗あり、役人も出るというのが今の世相のようです。

マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が、第一線を退いて慈善事業に専念すると聞きました。
営業上の配慮もあったのかも知れませんが、その行動に「ノブレス・オブリージュ」という言葉を思い出しました。

辞書には、高い地位や身分の者は、それに相応しい勇気や高潔などの徳を備える義務があるという意味とあります。
今の時代に当てはめれば、図らずも恵まれた地位や才能、経済力を身につけた人は、独り占めせずにその恩恵を自発的に社会に還元すべきとの理念ということになるでしょう。
日本にも「お裾分け」というやさしい言葉があります。
経済の豊かさと裏腹に、精神の豊かさを失うことのないよう日々品格と英知を養って行きたいと思います。


平成18年 若者よ、大志を抱け!

サッカーのワールドカップ独逸大会、日本チームは期待された成果をあげられず敗れ去ったのは残念です。
チームとしての纏りも、個々の選手の技量も今ひとつ、世界の壁が厚いことを知らされました。大会を終えての中田選手の引退宣言は寂しい限りですが、全力を尽くした青年の顔には、引き際の潔さを感じます。
『 Boys, be ambitious ! 』 札幌農学校を去る日、学生を前にウイリアム・スミス・クラーク博士が云った有名な言葉です。
「若者よ、大志を抱け! 金銭のためでも、私欲のためでもなく、まして名声などという空疎な目的のためでもない。
人として達成すべきあらゆることに志を高く持て!」と。
博士の日本滞在は、僅か10カ月に過ぎなかったということですが、その教えは学生に多く感化を与え、内村鑑三、新渡戸稲造ら優れた人材を排出しました。

若者たちが、全力で目標に立ち向って行く姿は、いつ見ても勇気づけられます。
選手たちにとって、あるいは国の名誉をかけて、あるいはチームのために、あるいは自分自身の立てた目標のためにと、それぞれの目指すところに違いはあるかも知れませんが、そこに人として何かを達成しようとする強い意思と勇気が伝わるからでありましょう。
新たな目標に向かってスタートする中田選手と、4年後を目指して走り出した選手諸君の今後の活躍に大いに期待しましょう。


平成17年 宅急便の父 逝く

郵政民営化で国民そっちのけの熱いバトルが繰り返されています。
宅急便の生みの親 小倉昌男さんが惜しまれつつ他界されたと新聞報道で読みました。
日常語となったお馴染みの宅急便、コンビニで気軽に頼めるゴルフ宅急便やクール宅急便など、市井に根ざした斬新なアイデアと、官に一歩も譲らず規制緩和を求めた開拓魂は、道路公団の利権に群がる官民なれ合いの構造とは、全く異質のものでした。

その斬新な発想と反骨精神は、ご本人によると、親からお上をも畏れぬ江戸っ子気質を受け継いだからといいます。
氏に惹かれるのは、業界のパイオニアやその気概だけではないでしょう。
後年、私財を提供して福祉財団を作り、障害者の自立に尽力されたやさしい眼差しに感銘を受けるからです。
氏の示した気概とやさしい眼差しが、今後も受け継がれて行くことを願いたいと思います。


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