九段下駅から徒歩1分|千代田区の阿部法律会計事務所

03-5275-746103-5275-7461

お問い合わせ

menu

  1. ホーム
  2. 随想録

随想録

平成23年 冬正しい 「マダマ バタフライ」

オペラは好きですか。
「正しい蝶々夫人」として、新聞やNHK BS放送でも取り上げられましたが、本年の8月、オペラの本場イタリアで、日本のオペラ歌手として知られる岡村喬生氏により「蝶々夫人」が公演されました。

長崎が舞台のおなじみの作品ですが、岡村氏は世界で上演されているこのオペラが、実は初演以来、畳の上に下駄ばきで上がるなど日本文化への誤解だらけの演出が続けられていることに疑問を感じ、祖国に対する間違いを糾すとの思いから、いつか日本人として「正しい蝶々夫人」をイタリアで公演することを、ライフワークとして取り組まれていると伺ったことがあります。

そのプロジェクトが実現しつつあった矢先、今回の東日本大震災で一時計画が吹き飛ぶかに思えたものの、氏は何としてもこれを実現することで被災された方々に少しでも励ましを送れるとの思いから、今回の公演にこぎつけたそうです。

日本人役は日本人歌手に、外国人役は外国人歌手に、そして細部に亘る正しい日本文化の演出にこだわった、ただセリフ上の誤りは最後までプッチーニの遺族の了解が得られず、原作のままとしたとのことでしたが、舞台も幻想的な演出も斬新で、とても感動的であったと高い評価を受けています。
震災への復興には長い時間がかかると思いますが、それぞれの生業や生活の中で、日本人としての矜持と心意気を持ち続けたいと思っています。


平成23年 夏 震災に立ち向う

空前の大地震、それによりもたらされた津波と原発の被害は、絶後と云うべき規模に至りました。
政府や行政が本来の機能を発揮出来ない中、真っ先に天皇、皇后両陛下が被災地を見舞われ、深々と頭を垂れるお姿に、国民こぞって被災者への思いと一日も早い復興を誓ったことと思います。
民間からは多くの義捐金が集まり、ボランティアが大勢応援に駆けつけています。
大震災を体験して何が大切か、これまでの価値観や行動基準は大きく様変わりするような気がします。
これからどのような国や社会の仕組みを作り、復興を成し遂げるか、将来の日本は世界の中で尊敬される存在になれるでしょうか。
震災に立ち向かう若い世代の勇気と頑張りに、大いに期待したいと思います。
頑張ろう ニッポン!


平成22年 冬クロスカップリング反応

根岸英一、鈴木 章両教授が、ノーベル化学賞を受賞されたことはまことに喜ばしい限りです。
両教授が発見した「クロスカップリング反応」とは、二つの化合物の繋ぎたい箇所に目印の物質をつけ、触媒作用でこれを繋ぐことにより新たな化合物を合成する手法で、その発見により液晶や医薬品などの開発分野で、飛躍的な発展がもたらされたと聞きました。

鈴木教授は「自分で考え、自分で決めたら突き進むことが大事だ。特許を取っていたらという人があるが、特許を取らなかったから皆が使ってくれた。
研究者は誰でも研究が社会に利用されることを願っている。」と謙虚に研究者の姿勢を話される。

根岸教授は「夢は大きければ大きいほどいい。植物の光合成を人工的に実現することが次世代の使命となろう。
地球温暖化や食料問題解決のカギになる。」と研究者としての夢を話される。
そして、お二人とも共通して、若いうちに海外に出て挑戦することの重要性を説かれている。

科学技術は我が国の将来にとって貴重な財産となるはずです。
厳しい経済情勢にあっても、この国を担うべき若い人材の育成に、もっと関心を払う必要があるのではないかと感じました。


平成22年 夏お帰りなさい「はやぶさ」

地球を離れて7年、60億キロという長旅を終えて「はやぶさ」が帰ってきました。
満天の星空をバックに、光りながら砕け散る本体、その中からひときわ強く伸びる一筋の光は、切り離されて地上に向かうカプセルであることはすぐにわかりました。

壮大な役目を終えて最後の光を放つ姿に、よくぞここまで無事にたどり着いたと、思わず心の中でつぶやきました。
「イトカワ」は、ピーナッツの形をした長さ500メートル程の小惑星、丁度 東京からパリの町角に転がっている豆粒めがけてつま楊枝を命中させ、再び戻ってくるという離れ業なのだそうです。

「はやぶさ」に襲いかかった数々のピンチをチャンスに替え、見事偉業を成し遂げた科学者たち、最後までやり抜く信念と粘り強さにも大いに勇気づけられました。

カプセル内には微粒子が残されているそうです。
その一粒でも「イトカワ」からの贈り物であってほしい。
太陽系の起源を探る貴重な手がかりがつかめるか、研究成果の発表を心待ちにしたいと思います。


平成21年 辻井さんの活躍を祈る

先日、辻井伸行さんが、著名な国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たしたニュースは、うれしい知らせでした。
はにかんだ中にも素直にうれしさを表現するご本人の飾らない印象から、素晴らしい環境と周囲の愛情に育まれて、思う存分才能を伸ばすことができたことを偲ばせます。
ハンデキャップを乗り越えてという驚異を超越した何かがあるようです。
「全盲のピアニストと呼ばないで」は、母親いつ子さんの手記ですが、そこには我が子を慈しむ母親の気持ちと、プロとして我が子を旅立たせる気構えが素直に伝わります。
確かに先日のヨーロッパ演奏には、もう付き添う母親の姿はありませんでした。
そろそろ親離れ、子離れの時期かと思うと述べられていましたが、プロの音楽家としての1人立ちを、そっと見守っている姿が彷彿とさせられる思いです。

20年間、がんばり続けて来て本当によかった、子供には元気で幸せにピアノを弾き続けてほしいと結んでおられた。
ご本人はもとより、ご家族の幸せな気持ちを思うと、演奏を聞く前から、元気を戴いたような気がします。


平成20年 「天璋院 篤姫」が面白い

債権流動化ともてはやされた金融商品、その危険性に思い至らずこのような世界的不況の引き金になるとは、誰も予想していなかったのでしょうか。何があってもおかしくない時代と云うほかないのかも知れません。

NHKの大河ドラマ「天璋院 篤姫」が、いよいよ大詰めです。
「幕末の大奥」の著者畑 尚子氏によると、篤姫は自己主張のはっきりとした性格で、自分の判断で行動するタイプだったと評しています。

徳川家茂が長州征伐に上洛して以降、徳川慶喜が鳥羽伏見の戦いに敗れ江戸に戻るまでの三年間、将軍不在の江戸城を守ってきたのは、篤姫と和宮の女性二人でありました。

行動的な篤姫と冷静な和宮とは、大奥のしきたりを巡って一時対立があったようですが、留守を守り、嫁ぎ先の徳川家を存続させるという共通の目的の下、それまでの蟠りは氷解したようです。
そして、大政奉還後の江戸城下は、二人の双肩にかかっていたのです。
篤姫は西郷に、和宮は朝廷に、それぞれ嘆願書を送るなどの働きかけが人を動かし、江戸の町を火の海から守ることに寄与したことは確かなようです。

封建時代にあって、信念を持って事に当り、力を発揮した女性がいたことは、驚異的と云えましょう。激動の時代、来年はきっと女性の活躍が際立つ年なのではないかと想像しています。


平成19年 お裾分け

「国家の品格」から始まって、「女性の品格」、「会社の品格」など、品格ブームのようです。
他を思いやる美徳や気品という当然の常識に欠け、好き勝手に振る舞う世の中への反省が込められているのでしょう。
しかし、相変わらず品格を疑われるような老舗あり、役人も出るというのが今の世相のようです。

マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が、第一線を退いて慈善事業に専念すると聞きました。
営業上の配慮もあったのかも知れませんが、その行動に「ノブレス・オブリージュ」という言葉を思い出しました。

辞書には、高い地位や身分の者は、それに相応しい勇気や高潔などの徳を備える義務があるという意味とあります。
今の時代に当てはめれば、図らずも恵まれた地位や才能、経済力を身につけた人は、独り占めせずにその恩恵を自発的に社会に還元すべきとの理念ということになるでしょう。
日本にも「お裾分け」というやさしい言葉があります。
経済の豊かさと裏腹に、精神の豊かさを失うことのないよう日々品格と英知を養って行きたいと思います。


平成18年 若者よ、大志を抱け!

サッカーのワールドカップ独逸大会、日本チームは期待された成果をあげられず敗れ去ったのは残念です。
チームとしての纏りも、個々の選手の技量も今ひとつ、世界の壁が厚いことを知らされました。大会を終えての中田選手の引退宣言は寂しい限りですが、全力を尽くした青年の顔には、引き際の潔さを感じます。
『 Boys, be ambitious ! 』 札幌農学校を去る日、学生を前にウイリアム・スミス・クラーク博士が云った有名な言葉です。
「若者よ、大志を抱け! 金銭のためでも、私欲のためでもなく、まして名声などという空疎な目的のためでもない。
人として達成すべきあらゆることに志を高く持て!」と。
博士の日本滞在は、僅か10カ月に過ぎなかったということですが、その教えは学生に多く感化を与え、内村鑑三、新渡戸稲造ら優れた人材を排出しました。

若者たちが、全力で目標に立ち向って行く姿は、いつ見ても勇気づけられます。
選手たちにとって、あるいは国の名誉をかけて、あるいはチームのために、あるいは自分自身の立てた目標のためにと、それぞれの目指すところに違いはあるかも知れませんが、そこに人として何かを達成しようとする強い意思と勇気が伝わるからでありましょう。
新たな目標に向かってスタートする中田選手と、4年後を目指して走り出した選手諸君の今後の活躍に大いに期待しましょう。


平成17年 宅急便の父 逝く

郵政民営化で国民そっちのけの熱いバトルが繰り返されています。
宅急便の生みの親 小倉昌男さんが惜しまれつつ他界されたと新聞報道で読みました。
日常語となったお馴染みの宅急便、コンビニで気軽に頼めるゴルフ宅急便やクール宅急便など、市井に根ざした斬新なアイデアと、官に一歩も譲らず規制緩和を求めた開拓魂は、道路公団の利権に群がる官民なれ合いの構造とは、全く異質のものでした。

その斬新な発想と反骨精神は、ご本人によると、親からお上をも畏れぬ江戸っ子気質を受け継いだからといいます。
氏に惹かれるのは、業界のパイオニアやその気概だけではないでしょう。
後年、私財を提供して福祉財団を作り、障害者の自立に尽力されたやさしい眼差しに感銘を受けるからです。
氏の示した気概とやさしい眼差しが、今後も受け継がれて行くことを願いたいと思います。


平成16年 マザーテレサの言葉

スリーダイヤの大手自動車メーカーが、存立にかかわる未曾有の危機に陥っています。
欠陥を隠しても企業の利益を追求するという発想は、この会社に留まったことではないのでしょう。
もはや一企業や個人の道徳に期待するだけでは越えられない問題なのではないでしょうか。

ノーベル経済学賞を受賞した経済学者アマルティア・センは、生産や効率を追求するだけのこれまでの経済学から、生存のための経済学を提唱しています。
社会にあって他者との相互関係を自分の価値に反映させる、いわば他人に関心を持つ温かさを持った経済学の必要性を説いています。

私の最も尊敬する人の一人、マザーテレサは、「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」と述べています。
人間や社会にとって、本当に何が必要か、どうすれば人間や社会を幸せに出来るか、この問題を考えるとき、そろそろ私たちも傍観者の立場から、当事者としてコミットする時期が来ているのではないでしょうか。


阿部法律会計事務所
〒102-0073
東京都千代田区九段北1-4-4 ASNビル6F
TEL:03-5275-7461
FAX:03-5275-7463
営業時間:9:00~17:30
休日:土・日・祝・年末年始
(事前予約で休日・時間外のご相談も可能)
PAGE TOP